4月、はじまりのときに

多くの保育者に読み継がれている倉橋惣三の著作から1編を選び目指す保育について

考えます。

子どもの目

 いつも真正面から、真直ぐに相手を見る目。

いつもあからさまに自分をさらけ出して、

心の隅まで隠すところのない目。

 いつも一ぱいに見開いて、

しっかり物そのものを見詰める目。

いつも新鮮さに冴えて興味の心に輝く目。

 いつも柔らかいなつかし味を湛えている目。

人の心の明るさを受けて明るく、自らもまた容易に、

相手の心の中に溶けてゆこうとする目。

それよりもなお、なんという清さに澄んでいることぞ。

曇りもなく、濁りもなく、たとえばこの頃の澄んだ空

の清さを、そのまま人界に落とし来たったような目。

 それが、子どもの目である。

(『育ての心』倉橋惣三)

子どもの目を見ている私たち大人の、勝手なまなざしをとがめているように思うこの言葉に

受け止めなければいけないと思う4月、はじまりのときに・・・。